橘玲・著「バカが多いのには理由がある」を読む。不愉快な現実に震える。 | ※個人の感想です。

橘玲・著「バカが多いのには理由がある」を読む。不愉快な現実に震える。

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橘玲氏の新刊
「バカが多いのには理由がある」
を買いました。
毎度毎度、読んでてため息が出る本を書く方ですが
私は大ファンです。

不都合な、不愉快な、現実

日本神話のルーツ

「PROLOGUE」では、日本の古代史について触れられています。
それによると…

 中国では紀元前17世紀の殷の時代から文字の記録が残り、孔子は紀元前6世紀の聖人で、漢王朝が繁栄したのは紀元前200年から紀元後200年にかけてでした。その長い歴史のなかで、中国には膨大な文書・記録が残されています。それに対して日本には、8世紀まで王権の正統を示す歴史書すらなかったのです。
 こうして『日本書紀』と『古事記』の編纂が国家事業として開始されました。そのなかではじめて天孫降臨の神話と万世一系の物語が登場し、戦前まではこれが"史実"とされてきたのですが、いまでは「日本神話」のほとんどが中国の史書を原典としていることがわかっています。『日本書紀』も『古事記』も、唐から帰国した知識人や渡来人たちが天皇や貴族(畿内の豪族)の権力の正統を内外に示すためにつくったフィクションでした。
(p50-51)
あら大変。日本の建国神話はパクリだったんですね。
創作なのは間違いないとしても、元ネタがあったとは…
そうか。パクリじゃなくて「二次創作」か。(爆)

日本版「武器よさらば」

Part1では「人類史上、日本人だけがなしとげたスゴいこと」が
紹介されました。読んでみて「ああ、そういえば…」と思います。

 1575年の長篠の合戦で、織田信長の鉄砲隊が武田勝頼の騎馬隊を殲滅したことは日本史の教科書にも出てきます。
(p81)
でもその後、江戸時代の日本は銃社会にはなりませんでした。
 ところが豊臣秀吉の死で朝鮮出兵が終わると、徳川幕府は鎖国と同時に鉄砲の製造を事実上禁止してしまいます。天下を平定した後では過剰な武器は不要だったからですが、鉄砲が忌避されたほんとうの理由は、武士を頂点とする身分制を崩壊させかねなかったからでしょう。
 当時の武士は、合戦で名乗りを上げ、1対1で真剣勝負をすることに自らと家門の名誉を賭けていました。しかし鉄砲があれば、町民や農民でも後ろから武士を撃ち殺すことができます。鉄砲を捨てることは、"武士道"を守るための絶対条件だったのです。
(p82)
町人が鉄砲持ってたら水戸黄門や必殺仕事人は出番ありません
(そこでフィクションを引き合いに出すな)。
ほんと、気にしてなかったけど「実は驚くべきこと」はあるものですね。

わかりにくいネタは「物語」にできない

Part3ではSTAP細胞騒動について
こんなことが書かれています。

 大衆が好むのは昔も今も勧善懲悪の物語で、そのためにはまず悪者を特定しなければなりません。それによって悪を糾す自分(視聴者とその代弁者としてのメディア)が正義の側に立てますし、悪者に人間味(幼児虐待や貧困、自殺未遂など)を持たせれば物語の魅力はさらに増してひとびとを魅きつけます。
 しかしSTAP細胞論文疑惑では、この悪者をうまく特定することができません。いまだに論争の決着がついていないということもありますが、そもそもマスメディアには「読者/視聴者が理解できることしか報道できない」という制約があり、科学の世界での議論を追うことが困難だからです。
(p193-194)
疑惑以前にSTAPの論文が世に出た時点から
O氏の「人となり」に話題が集中していたのが
既におかしかったわけですが、
「読者/視聴者が理解できることしか報道できない」
これが全てを語っています。
科学者の世界について正確に語られても
「よくわからんからもう見ない」
と言われてしまえば終わりですから。

最後の「EPILOGUE」まで「不愉快な現実の話」が
盛り沢山の本です。
楽しく笑って読める本ではありませんが、
それでもいいという方はぜひ。

4087807282バカが多いのには理由がある
橘 玲
集英社 2014-06-26

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